カバーオールと同時に作ることは最初から決めていた。ワーク上下のテーマだったから。

ペインターパンツ自体は、昔に掘ったものがある。今回新しく研究したわけじゃない。蓄積がそのまま製品になった。

何を参照したか

サンプリング元はLEE-191Z。

一番印象に残っているのは、右脇のツールポケットから後ポケットへの一筆縫いだ。本来は効率のための仕様だったはずのこれが、現代では非効率な技法になっている。対応できる工場が限られるほどに。

知っている人にだけ浮かび上がり、知らなければ最後まで気づかない。
そういう仕様が好きだ。

今回これが実現できたのは、密にコミュニケーションを取れる環境と、応えてくれる工場があるから。やりたいことが伝わらなくて苦労した、という話ではない。ただ、それは当たり前のことではないと思っている。

何を選び、何を捨てたか

生地はSLACK DENIM。実はこの生地の開発自体が、ペインターパンツから来ている。

サンプリング元のジェルトデニムをそのままキナリで再現しようとしたわけじゃない。ジェルトデニムの思想を、FUKUBORIなりに解釈し直した。

ジェルトは打ち込みを増やして強く。SLACKは打ち込みを緩めて、現代の服として心地よい強さに。同じ思想の、別の答えだ。

この服は何者か

過去から今に繋がる服の面白さを感じてほしい。

チェーンステッチの裾、巻き縫いのパッカリング、一筆で走るポケットの縫い目。当時の合理性が、今の個性になっている。

現在に作られる服のほとんどが、過去から今に繋がっている。
それは未来にも繋がっていく。

SLACK DENIM PAINTER →