機能が、いつの間にか色気になっていた。
なぜ作ったか
MA-1は絶対的な存在だと思っている。フライトジャケットをテーマに掘ると決めた時、外す理由がなかった。それだけだ。

何を参照したか
掘ってみて、ポケットに痺れた。
服を掘ることにのめり込むきっかけになった557のGジャンと同じような発見が、ここにあった。ぱっと見は普通の片玉縁ポケット。でも口布の厚みが気になった。中綿ではない。何かが入っている。追っていくと、ハンドウォーマーを兼ねた袋布が口布と一緒に折り込まれていた。
厚みの正体を追ったら、
機能が畳まれていた。
そういう発見が好きだ。
もう一つ印象に残ったのは袖下だ。中のウールのカットと、マチ分量を加えた袖下の設計。コックピットで前方に腕を伸ばす動作を想定した形状が、ここに隠れている。

何を選び、何を捨てたか
表地は薄いベージュのナイロンを探すことから始まった。そもそも選択肢が少ない。その中でギリギリと言える色味のリモンタのナイロンツイルを選んだのは、厚みと表情がとにかくエロく見えたからだ。理由はそれだけで十分だった。
中綿は元ネタがウールだったので、ウールを探した。ただ、両面パイルであることに拘って探した。片面とは着た時のモフモフ感が全く違う。当時の個体は経年でボア状になっていて、それが良かった。ならば最初から洗えばいい。そう思った。
表地の裏には、FUKUBORIのセルリアンブルーの格子プリントを施している。裏付きのアイテムで初めて意味を持つ仕様で、プリントが表にうっすら透ける。その透け感が、このジャケットの唯一無二な表情を作っている。
この服は何者か
FUKUBORIの中で、MA-1は数少ない「妖艶さ」を持つアイテムだと思っている。
リモンタのナイロンの表情、ウールのモフモフ感、丸みのあるアームライン、そして表に滲むセルリアンブルー。機能から生まれたはずのものが重なって、纏った時に色気になる。

機能が、いつの間にか色気になっていた。
そういう服が、MA-1だった。
